被せ物の種類
- _管理 八軒みらい歯科
- 4月7日
- 読了時間: 6分
こんにちは。
札幌市西区八軒の歯科医院『八軒みらい歯科』の院長 直江です。
皆さんは、虫歯の治療で歯を削ったあと、被せ物の種類に悩んだ経験はございませんか?
被せ物(クラウン)は、見た目だけでなく、噛む力やお口全体の健康にも
大きく関わってきます。
でも、いざ選ぶとなると「どれを選べばいいのか分からない…」という方も
多いかもしれません。
実は、被せ物にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴や
メリット・デメリットがあります。
今回は、患者さんによく使われる代表的なクラウンとして、銀歯、CAD/CAM冠、
PEEK冠、セラミック、ジルコニア、ハイブリッドレジンを順に紹介し、
それぞれの特徴とメリット・デメリットをわかりやすくまとめました。
▍銀歯(金属の被せ物)
銀歯とは、銀色の金属でできた被せ物のことで、保険診療で広く用いられてきた一般的な
素材です。銀歯に使われる金属の多くは硬くて丈夫で、噛む力が強い奥歯にも耐えられる
というメリットがあります。
また、金属は薄く加工しても割れないため、被せ物を作る際に歯を削る量を
比較的少なくできるという利点もあります。
しかし、銀歯はその銀色の見た目が目立ちやすいという大きなデメリットがあります。
奥歯でも、口を開けたときに銀色の被せ物が見えると気になる方も多いでしょう。
また、銀歯は歯との接着力がそれほど強くないため外れやすく、被せ物との隙間から
虫歯が再発してしまうこともあります。
さらに、金属成分が体内に溶け出すことで金属アレルギーを起こす恐れも
指摘されています。
こうした理由から、見た目や体質にこだわる方は次に述べるセラミックなど
銀歯以外の素材を選択することも増えています。

▍CAD/CAM冠
CAD/CAM冠とは、専用の機械でプラスチック系の素材を削り出して作る、
保険適用の白い被せ物です。
主に小臼歯(前から数えて4・5番目の歯)に使用されますが、条件を満たせば
奥歯にも使用できるようになりました。
白くて目立ちにくく、銀歯に比べて見た目が自然なのが魅力です。
また、保険診療のため費用を抑えながら白い歯にしたい方に人気があります。
ただし、素材はやや柔らかく、経年によるすり減りや変色が起こる可能性があり、
強い力がかかると割れることもあります。
▍PEEK冠
PEEK(ピーク)冠は、近年注目されている新しい素材で、工業用にも使われる
高性能な樹脂からできています。
金属に近い強度を持ちながら、しなやかさもあるため、
噛んだときの衝撃をうまく吸収してくれます。
金属を一切使用していないため、金属アレルギーの心配がなく、
見た目も白っぽく目立ちにくいのが特徴です。軽くて快適な装着感があるのも利点です。
ただし、自然の歯のような透明感はやや劣り、審美性を重視する前歯などには不向きです。
▍セラミックの被せ物
セラミックの被せ物は、歯科用の陶器(セラミック)で作られた白い被せ物です。
天然の歯に近い白さと透明感が再現でき、治療後も一見して自分の歯と
区別がつかないほど自然な仕上がりになります。また表面がなめらかで汚れ(歯垢)が
付きにくく、変色や変形が起こりにくいため、治療後も清潔な状態を保ちやすいです。
金属を一切使用しないので、金属アレルギーの心配がないことも
メリットと言えるでしょう。
デメリットとしては、セラミック素材自体が金属に比べると衝撃に弱く、
強い力が加わると割れたり欠けたりする可能性があります。
例えば、歯ぎしりの癖がある方や噛む力が非常に強い方がオールセラミックを
奥歯に入れると、まれに破損してしまうことがあります。そのため、そのような場合には
後述するジルコニアなどより硬い素材の被せ物が検討されます。
また、セラミックの被せ物は保険が適用されない自由診療となるため、
費用が高額になりがちである点も欠点です。
美しい見た目と引き換えに費用負担が大きくなることは、
治療前に理解しておく必要があります。

▍ジルコニアの被せ物
ジルコニアはセラミックの一種で、特に強度(丈夫さ)に優れた素材です。
人工ダイヤモンドとも呼ばれるほど硬く、金属に匹敵する強度があるため、
奥歯に使用しても問題ない高い耐久性を持っています。このおかげで、噛み合わせが
強い方や歯ぎしり・食いしばりの癖がある方でも、ジルコニアの被せ物なら
安心して白い歯で治療することができます。見た目も白く、金属を含まない素材なので
見た目の自然さと金属アレルギーの心配のなさという
セラミックの利点も併せ持っています。
一方、ジルコニアはオールセラミック(純セラミック)やe-maxなどに比べると
透明感など審美性の面でわずかに劣るとされています。また、非常に硬い素材ゆえに、
噛み合う相手の歯を傷つけたり欠けさせたりしてしまう場合があることもデメリットです。
加えて、ジルコニアもセラミック同様に保険適用外の自費診療素材となるため、
銀歯など保険の被せ物より費用が高くなる点にも注意が必要です。
以上のように欠点もありますが、総合的にはジルコニアは見た目と
強度のバランスが優れた新しい被せ物素材として注目されています。

▍ハイブリッドレジンの被せ物
ハイブリッドレジンは、セラミックに歯科用プラスチックであるレジンを混合した
複合素材の被せ物です。セラミックの白さとレジンの扱いやすさを併せ持つため、
見た目は自然な白い歯に近く仕上がります。レジンを混ぜている分、オールセラミックより
材料費を抑えられるので、自費の被せ物の中では比較的価格が安いことも特徴です。
素材に金属を含まないため、金属アレルギーの心配がない点も安心できます。
ハイブリッドレジンのデメリットとしては、レジン(プラスチック)成分が含まれるぶん
経年的に変色しやすく、使用期間が長くなると徐々に色合いが変わったり
摩耗(すり減り)したりしやすい点が挙げられます。
オールセラミックに比べると透明感がやや少なく、時間が経つと
見た目の劣化が起こりうるため、長期的な審美性では劣ります。
また、素材自体がセラミックよりも柔らかいため耐久性が低く、噛み合わせによって
少しずつ削れてくることがあります。その結果、他の素材よりも数年ごとに補修や
作り直しが必要になる可能性があります。
しかし費用を抑えつつ白い歯にしたい場合や、比較的負担のかからない部位の治療には
有用な選択肢と言えるでしょう。

▍まとめ
被せ物にはそれぞれの素材に特徴があり、どれを選ぶかは見た目、噛みやすさ、
費用、アレルギーなどの要素をバランスよく考えることが大切です。
「とにかく長持ちさせたい」「できるだけ見た目を自然にしたい」
「保険の範囲で白い歯にしたい」など、ご自身のご希望や
生活スタイルに合わせて選びましょう。
どんな素材が自分に合っているか、ぜひお気軽にご相談ください。
八軒みらい歯科では、小児歯科、歯周病予防、歯周病治療、むし歯治療、審美歯科、ホワイトニング、矯正歯科(ワイヤー矯正、マウスピース矯正)など、様々な歯科疾患の予防、治療に力を入れています。
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